知っても役に立たない(?)印刷用語(2) 束見本

どうも、よっさんです。
“日常生活では全く使わない、知っていても何の役にも立たない”
印刷業界の専門用語を不定期でご紹介する本シリーズ、
好評につき(…嘘)第2弾です。

まず本題に入る前に、
あなたは今回のタイトル「束見本」を
正しく読むことができましたか?

正解は“つかみほん”。
“たばみほん”でも“そくみほん”でもありませんよ~。

※私のPCは、つかみほん→「掴み本」と変換し、
束見本を再変換すると「たばみほん」と認識しました…(涙)

自費出版などで本を制作する、あるいは
出版業務にたずさわらない限り、
おそらく出会うチャンスは皆無であろうこの言葉。
しかし、束見本は
本づくりの工程において重要な役割を果たしているのです。

束見本とは、
表紙や本文・口絵(グラビア)・見返し・扉など、
実際の出来上がりと同じ材料・ページ数で製本した本の見本です。
本を作る前に作成するものなので、
外見(カバーや表紙)も中身も真っ白。

また、新創刊の雑誌の場合であれば、
表紙や中身の数ページを印刷した束見本を見本誌として
関係者(特にスポンサー)に配布することもあります。

ではなぜこのような見本を作るのでしょうか。

世の中にはさまざまな製本方法や紙の種類があります。
その中からどのような組み合わせを選ぶかは出版者の自由ですが、
頭の中であれこれ考えただけでは
プロでもなかなか本全体のイメージが湧かないもの。
そういったときに、
製本方法や紙の種類を複数選んで束見本を作り、
実際に手にとって本の内容にふさわしい組み合わせを検討するのです。

特にベストセラーをねらい大量流通させる本であれば、
いかに“売れる”本にするかが追求されます。
そのため、本の装丁を決定する段階で幾通りもの束見本を作ったり、
その束見本に合ったカバーデザインを作成したりするのです。

また、実際に本の印刷・製本加工を行う際には、
本の背表紙や本を入れる箱などの各パーツの寸法を
正確に知っておかなければなりません。
それらの寸法の中でも特に重要なのが、
本の厚さ=背幅です。

これは一枚あたりの紙の厚さをもとに計算式で出すこともできますが、
ページ数が増えるにつれ
どうしても計算式の答えと実際の厚さに誤差が生じます。

そこで、束見本を作って背幅や入る箱の寸法を正確に割り出し、
ぴったりなサイズになるよう制作していくのです。

電子書籍が主流となりつつある今の時代に
わざわざ「白い本」を作り紙の厚みと手触りを吟味するという作業は、
ある意味贅沢なことかもしれませんね。

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