改めてヘルニアについて考える

シンです。

気が付けば今年ももう2カ月を切り、すでに季節は秋から冬に移っています。思い起こすと、去年の今頃は私はまだヘルニア手術後の入院生活中で、リハビリ病院に移って10日目になった頃でした。しかし、人間というのは嫌なことを忘れるようにできているようで、近頃はそういったことを思い出すことも少なくなって来ていました。

しかし、昨日の朝、起きるときに腰の痛みを感じました。その朝の腰の痛みはしばらくするとおさまり、さほどでもなかったのですが、あのヘルニアを発症した日の朝の地獄のような激痛を思い出すには十分でした。「のど元過ぎれば熱さを忘れる」ということわざの通りで、こういうことでもないと人間は過去に苦しんだ事すら忘れてしまうものだということを改めて感じました。

さて、今回のブログは、このヘルニアという病気と、それによく似た症状の病気について自戒の意味も込めて書いてみたいと思います。過去に私がかかった病気について簡単な説明はしたつもりですが、あまり詳しいものではなかった気がするので改めてもう少し詳しく説明したいと思います。

1.「ヘルニア」の定義

ヘルニア(hernia)とは、体内の臓器などが、本来あるべき部位から「脱出・突出」した状態を指します。体腔内の隙間に迷入したものを内ヘルニア、体腔外に逸脱したものを外ヘルニアと呼びます。腹部の内臓に多くみられ、例えば腹壁ヘルニアは、腹壁に生じた裂け目から腹部の内臓が腹膜に包まれたまま腹腔外に脱出するものです。
一般的に多いヘルニアは、鼠径(そけい)ヘルニア(いわゆる脱腸)、臍ヘルニア(いわゆるでべそ)、椎間板(ついかんばん)ヘルニアなどです。
ヘルニアの多くは激痛を伴うものが多いです。

以上、Wikipediaを参考にした説明でしたが、私がかかったのが椎間板ヘルニアであることは過去にご説明した通りです。

2.「ヘルニア」の種類

次に代表的なヘルニアについて見てみましょう。ヘルニアの定義にある通り、体内の臓器などが、本来あるべき部位から「脱出・突出」した状態がヘルニアなのですから、実に様々なバリエーションがあります。そこで私たちに身近なもののみに絞って説明します。

(1) 椎間板ヘルニア

椎間板の一部が正常の椎間腔を超えて突出した状態を言います。
背骨を形成する椎体と椎体の間には人体最大の無血管領域と呼ばれる椎間板が存在します。椎間板は中央にゼラチン状の髄核、周囲にはコラーゲンを豊富に含む線維輪から成っています。この髄核や線維輪の一部などが突出した状態が椎間板ヘルニアです。
人間以外の多くの動物は脊椎を重力に垂直にして生活しているのに対し、人間は二足歩行であるために脊椎は重力と平行方向となり、立位では椎間板には多くの負荷がかかることになります。いわば人類は二足歩行による脳の発達などの恩恵と引き換えにヘルニアという病気のリスクを背負ってしまったとも言えるでしょう。

(2) 頸椎(けいつい)ヘルニア

首に発生した椎間板ヘルニアを頚椎ヘルニアと呼びます。
頚椎ヘルニアは首の痛み、胸部の痛み、上肢(腕)のしびれ、上肢の麻痺、上肢の筋力低下などの症状のため、仕事、日常生活に支障を生じます。

私の会社でもこの症状を訴える人がいると聞きました。時々腕のしびれがひどく困っているそうです。

(3) 臍(さい)ヘルニア

俗に言う出べそ。
新生児の臍(へそ)に存在するヘルニアは、時にはかなり大きいこともあるが、これらのヘルニアは5歳ごろにどのような処置をしなくてもおさまる傾向にあります。
開口部が小さいとき(1または2cm)、90%は3年以内(サイズにかかわらずすべての臍ヘルニアの85%の初期状態)に閉じて、これらのヘルニアが症状がなく縮小すれば、手術は必要ありませんが、該当しない場合、手術を考えなければなりません。重度になると腸管などの内臓器官が出ることもあります。

(4) 鼠径(そけい)ヘルニア

俗に言う脱腸。鼠径とは太ももの付け根の部分のことです。
鼠径ヘルニアは乳幼児から高齢者まで幅広く起こりうる病気です。 乳幼児の場合は、先天的な要因がほとんどですが、 成人の場合は加齢や運動不足も含めてカラダの組織が弱くなることが要因とされています。

男性では、27%と非常に高率で起きるとされています。睾丸は温度が低いと、腹腔内に入り、暑いと陰嚢に下がってくるしくみになっていますが、睾丸が腹腔内に入ったり出たりする通路に腸が入り込んで起こるものです。腹腔外に出た腸がよじれて戻れなくなった場合、壊疽(えそ)を起こして生命に危険となります。
女性でも3%に発生するという報告があります。 男性に多い外側のヘルニアの場合、陰嚢内で睾丸が異常な状態で下降するとき先天的に発病する。その時、腫瘤ができ、発病が確認されます。ひどい場合は陰嚢に腫瘤(しゅりゅう)ができます。

3.ヘルニアの診断方法

(1) 単純X線(レントゲン)

単純X線写真は放射線被爆量も少なく、費用もわずか、その場で撮影も終了し当日説明をうけられるので、整形外科では必ず施行されます。しかし、単純X線で異常があるだけでは病気としてヘルニアを診断することはできません。なぜなら病気でない正常な人にレントゲンの異常が高率に見られるからです。

(2) MRI・CT

MRI(magnetic resonance imaging:核磁気共鳴画像法(かくじききょうめいがぞうほう))はかなり大がかりな設備が必要なので多くは規模の大きな病院で行われます。

MRIは磁気を使用して人体の断面写真を作成する医療用機器です。被爆がないのが最大の特徴です。欠点は費用が約1万円程度と高額な点、狭い部屋に15分間ほど閉じ込められて、騒音が強いことです。
 
脳外科の術後で体内に金属が残っている人、心臓ペースメーカー装着の人、閉所恐怖症の人などではMRI検査が無理なため、CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)で検査を行います。CTはMRIより費用は5,000円程度と安くなりますが、被爆があります。

MRIではコンピュータで処理した3次元の画像が見ることが出来(最近はCTでも可能になっているようですが)、レントゲンでは映らない脊髄の画像も得ることが可能です。

思い起こせば、私も手術直前にMRI検査を受ける予定だったのですが、もうその時には15分間同じ姿勢で寝ていることもできないほど症状が悪化していたので断念したものです。幸い手術の数日前に別の病院でMRI撮影を済ませていたので事なきを得ました。

4.ヘルニアによく似た病気

椎間板ヘルニアに症状が類似した病気として、腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)というのがあります。腰痛、下肢痛、下肢しびれ、下肢の筋力低下、膀胱直腸障害、間欠性跛行(かんけつせいはこう)などの症状が起き、仕事、日常生活に支障を生じてしまう病気です。

主要な症状である間欠性跛行とは、歩行などの運動中に下肢の筋肉に激痛を覚えて運動が困難になり,歩行を中止するか安静にすればもとに戻る状態をいいます。

原因としては脊椎にある脊柱管(せきちゅうかん)という神経を囲んでいる管が狭窄(きょうさく)する整形外科疾患で、通常、加齢に伴って発生する脊髄変性症で広く見られる症状ですが、ときには脊椎椎間板ヘルニア、骨粗しょう症や腫瘍によって引き起こされる場合もあるそうです。

実は私がヘルニアの手術を受けたH総合病院でも同じ病室にこの症状の患者さんがおられたのですが、過去に数度手術をされたと聞きました。この病気も再発しやすい病気のようです。

おわりに

昨年の暮れに退院してもう少しで1年という時に、忘れかけていたヘルニアのことを思い起こさせる出来事があり、改めて手術を受けてこの病気から完全に解放された気がしていたのは錯覚に過ぎなかったのだという気持ちを新たにしました。どうもこの病気とは一生付き合って行くしかないようです。しかし、もし仮にヘルニアになったとしても、手術をしなくてもよいケースがかなりあるのであまり心配はしなくてもいいと思いますが、みなさんも私のような目に遭わないよう、くれぐれも健康にはご注意ください。では今回はこの辺で。

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改めてヘルニアについて考える” への2件のコメント

  1. はじめまして
    現在腰椎椎間板ヘルニアの術後で入院している者です。
    シンさんのヘルニアの記録を見て
    読みやすくて楽しかったです。
    あっ闘病の記事なのに楽しいは変ですね…すみません。
    私の場合は過去に1度手術(19年前)をしていて
    今回2度目の手術(7月5日)でした。
    昔に比べて術式も進歩して
    かなり負担の少ないPED法での手術でした。
    でも術後の辛さはもう2度と味わいたくないと思いました。
    シンさんの術後の記録を読んで
    少し違うところもありましたが
    (私はドレーン無しでした)
    だいたい同じで読んでいて泣けてきました。
    シンさんの場合はその後リハビリ療養もされていて
    本当に大変でしたね。
    再発しないようにお互いにあの時を忘れずに生活したいですね。

  2. はじめまして。
    ずいぶん前の記事を読んでコメントをいただき、ありがとう
    ございます。
    私はとりあえず今のところは手術前とほぼ変わらない生活を
    送れていますが、ヘルニアの再発の危険はやはりあります。
    本当にヘルニアの痛みというのは経験した者にしか分からな
    いと思います。一日も早く退院されて元の生活に戻れるよう
    お祈りいたします。

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