しまなみサイクリング入門(4)今治で一泊して往復しよう 後編 ワープする。

 先だって12月を目前にして周りからは、年寄りの冷や水で寒いと言われながらも、しまなみ海道にわざわざ泊まり込みキャンプをしに行って、苦手だった大島で美味しい思いをしてきた「 window tribe 」です。

 そんな私の「しまなみ海道回顧録」のようなこのブログで、前回はゴールデンウイーク中に、折り畳み自転車で尾道から寄り道をしながら自己ベスト更新の1日90kmを走って今治で一泊して、翌朝に尾道に向かっての復路に入るところからの続きです。

宇宙戦艦ヤマト方式?

 唐突ですが、私がまだ高校生だった時分にやっていたアニメ「宇宙戦艦ヤマト」は、1年近くガミラスと戦いながらイスカンダルまで行って、帰り道は大人の都合で数話で地球に帰ってくるのを如何に言っても帰ってくるのが早すぎないかと訝(いぶか)しく思っていたのですが、それはさておき、このサイクリングも2日目の尾道に向かっての帰途は私の都合で「ワープ航法」を使用することにしました。裏番組の「アルプスの少女ハイジ」に押されて放送回数が短縮されたそうです。またワープは本来は「歪める」という意味だそうですが、一般人の「早道をする」という解釈でお考え下さい。)

 前日、今治国際ホテルに自転車で乗り付けて贅沢をしましたが、朝食もそこそこにチェックアウトして向かった先は今治港です。

私の都合その1」として昨日90km走ったので、ここから苦手なアップダウンのある大島を2度走るのも面白くないし、ついでに伯方島も一緒に飛ばし、高速船で一気に大三島の西南端の宗方港にワープしようという作戦です。

 これより一本前に始発のフェリーがあるのですが、ホテルで土地の物が揃えられた朝食を飛ばすのも勿体無いのでしっかりと頂いて、第2便にあたる7時20分の高速船をチョイスしました。フェリーだったらそのまま自転車は乗り込めるのですが、高速船には自転車としては載せれませんので、ここで折畳み自転車のメリットで、畳んで輪行袋に入れて、「手荷物」にして乗船します。

 この時はロードレーサーの方も2人おられましたが、普通の自転車を前輪・後輪を分解して袋に入れるのは時間が掛かっているようでした。 船は定刻に出港して、雄大な来島海峡大橋の下をくぐり先に進み、30分ちょっとで宗方港に到着します。

 愛媛県で一番大きな大三島では往路は東岸の快走コースを走って行きましたが、同じルートを通るのも変化が無いので、ここから往路と反対側の、まだ走ったことのない西岸を北上して、大山祇(おおやまづみ)神社に立ち寄る計画です。 大三島には「岩田健母と子のミュージアム」「伊東豊雄建築ミュージアム」「ところミュージアム大三島」「大三島美術館」「大山祇神社宝物館」「村上三島記念館」などミュージアムが目白押しです。

 道すがら最初に出てきたのが建築界では栄誉あるプリツカー賞や今年は文化功労者の授章者である「伊東豊雄建築ミュージアム」です。多面体を組み合わせた特徴ある建物「スティールハット」は見る角度によって様々な表情を見せてくれます。

 その隣といっていいほど近くに有るのが実業家の所氏の寄付で作られたという現代彫刻の「ところミュージアム大三島」です。話は前後しますが伊東ミュージアムは当初はここのアネックスとして計画されたそうです。小高い道路沿いの入り口から海岸に向かう斜面に階段状に建てられた建物で入り口の扉の男女の顔が多分開閉でキスすると思われます。

 残念ながらこの時は8時半過ぎで両館とも開館時間前でしたので、再訪を誓い先を急いでペダルを回しますが、西岸は東岸と違ってアップダウンがあり、ワープで大島を飛ばしておいて良かったと実感します。

 9時過ぎに「大山祇神社到着でお参りします。戦いの神様が祀られている神社で国宝・重要文化財指定の刀剣・甲冑などの武具が武将から数多く奉納されていて、じっくり見れば物凄いスポットなのですが、ここも再訪を誓って先を急いで再スタートします。 大山祇神社から推奨コースの多々羅大橋に向かうには大三島を横断しないといけないのですが、車道と分離された自転車道が用意されています。

 前編で紹介した往路では因島でラブリーなカカシでほんわかしましたが、ここの沿線では怖い顔のカカシが睨みを利かせています。 また自転車専用の道とは言っても落ち葉が多く落ちていましたが、大きなミミズに目が奪われてしまいました。このように沿線で車では気付かずに通り過ぎてしまいそうなものも、関心をもって見つけられるのも自転車旅の醍醐味の一つです。

 10時半には多々羅大橋に差し掛かり広島県の生口島に戻って来ました。

2度目のワープをする

 生口島で海辺りを快走して瀬戸田の町に差し掛かります。苦手な大島の坂道をワープ航法で回避しましたが、その分は大三島西岸でアップダウンを堪能しました。次の因島でも島を横断するアップダウンが待っています。

 ここで困難から逃げ出したと思われそうですが「私の都合その2」として瀬戸田港から2度目のワープで一気に尾道港を目指します。

 瀬戸内海の旅客航路では「せとうちサイクルーズPASS」といって自転車での乗船で割引になるチケットが貰える航路があり、使ってみる事にしました。この航路は高速船でも自転車は畳まなくても船の後尾に並べられて積み込まれます。

 11時半頃に出港して途中佐木島と因島の北部の重井港に立ち寄りますが、ここでは多分尾道でレンタサイクルを借りた人が帰路に使うのと、地元高校生がちょっと街に出る感じで自転車ごと乗り込んで来ました。
船は水しぶきを上げて尾道水道に差し掛かります。尾道港には12時過ぎに到着して自転車を下ろします。

 世界中からわざわざ走りに来る人が多いサイクリングルートを2度のワープをしてまで尾道に戻ってきた理由は、前に尾道の紹介で書きましたお蕎麦屋さんに毎月1回は顔を出さないと忘れられると言う強迫観念で、お昼のランチタイムに間に合わせる為でした。全部自走して夜営業でお酒も頂くことも考えたのですが、若くもないので疲れを残すと次の仕事に差し障りますので苦渋の選択でした。

 ゴールデンウイーク中の5月6日ですので町は賑わい中華蕎麦の朱華園は観光客で壮観な行列です。

 それと引き換えに路地裏のお蕎麦屋さんは静かにお蕎麦がすすれて、ワープして帰ってきた甲斐がありました。(流行ってないと思われそうですが念の為に、今年のミシュランでも前回に引き続き1つ星を獲得されています) 自転車旅もお蕎麦も満喫して、尾道駅で自転車を畳んで輪行袋に収納して、「手荷物」として電車に持ち込んで帰ります。

 前回と今回は自転車を「輪行」という方法で「手荷物化」して持ち運ぶ事が旅の広がりに役立つケースもあるというお話でした。

 しまなみ海道の推奨ルートは、走り易さと、観光のバランスを最短距離に近づくように考えられていますが、それぞれの島では推奨ルート以外の所にも、その後に私を引き付けて止まないスポットが目白押しです。特に私が「しまなみ海道の」とまで言う大島に再三通うようになるなど思ってもいませんでした。

 推奨ルートは今治側と尾道側の両方からご紹介しましたので、次回以降はそれぞれの島の外周を丹念にぐるりと観光しながら一周して制覇していくサイクリング、「しまなみ海道全島完全征服の旅」と題すべきか、推奨ルート以外を走るので「しまなみ海道サイクリング」と題すべきか、そういったテーマでご紹介します。

 

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