過酷な環境に挑むカメラ達、前編。カメラ道楽部屋(4)

 前回は「スイバル式」カメラなど本体とレンズ部分の角度を変えることができるカメラ達に焦点を当てて、我が家のガラクタが積み重ねてある道楽部屋から当該機種をピックアップして出演してもらいました。

 今回は、雨天や水しぶきの飛ぶ環境、砂塵・粉塵が舞う環境、はたまた水中もプールやシュノーケリングの数mの水深から、さらにスキューバダイビングといった数十mの水深環境など普通のカメラでは撮れない過酷な環境でも我々の好奇心を満たしてくれるカメラ達をまたまた道楽部屋からピックアップして、前編・後編の2回にわたり紹介してみようと思います。

まずは防水性能に目が行く

 カメラと並び精密機械の代表格は時計なのですが、頑丈なイメージで有名なのはCASIOのGショックです。そのイメージで作られたカメラが2010年発売の「EXILIM G EX-G1」です。

 性能的には3倍ズームの1200万画素と必要にして十分ですが、厚さ2㎝を切るスリムさです。そのために通常は記録にSDカードを用いるところ、マイクロSDカード仕様となっていたり先進的な部分もあります。

 高さ2mからの落下に耐える耐衝撃性とともに水深3mの防水性能を持っています。しかし防水性能は現在の視点で見ると酷なのですが、どちらかというとスタイル重視な感じで、性能的にはプールでの使用にとどまる感じです。バッテリー扉やカード扉の金属ヒンジが塩を吹いたように動きが渋くなり、工夫を要するところでしたが、改良した後継機種は出ていません。

 毎度のことで横道に逸れるのですが、CASIOというのはコンセプトが尖がった物を作る会社で、だいぶん後に水深50mもいけるGZE-1というサッカーボールみたいなカメラを出しているのですが、これこそGショックにインスパイアされた性能を持ったカメラです。

 YouTubeで「GZE-1」を検索すると、ペットボトルロケットにくくり付けて飛ばしたり、サメやワニに食わせたり目茶苦茶をしていますので、道楽部屋の仲間に欲しいなと画策していますがアタッチメントなど本体以外にも必要な様です。いやぁ、物欲があると仕事の励みになります。

 

 


 フィルムカメラの時代にダイバー御用達の水中カメラと言えばNikonで扱っていた「ニコノス」一択で水深50m以上の性能が有ったそうです。

 今、私の手元にあるのはCoolpix AW130という防水カメラで性能的には高価なニコノスに及びませんが先ほどのEX-G1の10倍にあたる水深30mに耐える本格派です。ただし残念な事に私の手元に来た個体は浸水した形跡が有り電源は入っても初期画面から先に進めません。いくら性能は凄くても正しい使い方とメンテナンスは怠らないようにしないといけません。


 富士フィルムは防水カメラには以前から結構熱心なメーカーで、2010年に写真左の紺色の親しみやすいデザインで3m防水のFinepix XP10で始まったXPシリーズは右側の黄色いXP60では6m防水に進化するなど、ほぼ毎年新しいモデルが発売され、今年発売のXP140では25m防水にまでなっています。

 防水カメラではレンズ部分は水中で飛び出すわけにはいかないので多くのモデルで屈折光学系というミラーやプリズムで光の進路を変えてボディ内部で横方向にレンズがズームする方式を用いています。
 それでもバッテリー・メモリーカード・端子など開口部を必要とする扉部分には内部にパッキンを施して密着させて水の侵入を防いでいます。この扉は水中などで不用意に開かないようにWロックする構造で、このXP60ではプッシュボタンと回転ダイヤルという操作の異なる方式で二重に扉をロックしています。

 また扉の中のパッキンは経年劣化しますのでメーカーでは1年に1回点検と交換するように言っていますが、経費と手間がかかり多分やっている人はあまりいないと思います。

 私の手元に来た品々で浸水跡が見られるものが有りますが、操作を誤って浸水させたか、パッキン不良で浸水したかのどちらかで、前述のAW130のようにせっかくのカメラでも台無しになってしまいます。


働くカメラ

 ポンコツばかりまとめて買っていると、好むと好まざるとに関わらず色々なカメラを目にする機会に恵まれます。レジャー用のスタイリッシュなカメラの紹介が主になっていますが、富士フィルムでは、フィルム時代のワークレコードシリーズからデジタルのBIGJOBシリーズといって、工事現場で使う無骨なカメラも作っていました。 ここに載せたのは工事現場の声を集めたシリーズ後期の集大成で2007年発売のBIGJOB HD-3Wという機種です。ラバーでガードされた大柄なボディーと手袋をしたまま使える操作系をもっています。

 屋外の工事現場で使いますので、雨天や粉塵に耐える1m防水仕様になっていますので汚れたら水洗いできます。建物を撮るために当時としては広角なレンズを備えモニターも屋外で見やすいように明るさに工夫が凝らされています。

 また「CALS」と呼ばれる国土交通省基準の画像サイズ(1280×960ドット)で記録される工事・建設現場向けのモードが用意されていたり、「画像加工検出機能」といって公共事業提出の写真を改ざんしてもばれる機能を搭載したりするなど働くカメラだったようです。


 時系列が前後しますが2000年発売のリコーRDC-200Gという機種も同様のコンセプトのカメラです。しかしスペック的には時代を感じるものになっているのですが、どこか褒めるところがないかと考えていますと、2000年度のグッドデザイン賞を受賞していました。 デザイナーの弁では「従来機種にない、柔らかい印象の形と色を提案する事で、日々、厳しい作業環境の中で、お仕事をされている方が、「RDC-200G」を使うことで、一瞬でもやすらぎ、たのしさを感じていただきたかった。」とのことです。これを聞くと何だかちゃっかりと、ごつい中にも気品を感じてきました。

(「グッドデザイン賞」の中でもカメラは結構な数が選定されていますので、これで我が家の道楽部屋のガラクタに新たな切り口で光を与えられるなと閃きました。このテーマで受賞したカメラがないか箱をひっくり返してから勉強して後日公開します。いやぁ、手元に持っていても、そうとは知らないことを新たに知るのは道楽冥利でワクワクします。)


自然と戯れるカメラ

 話を元に戻しまして、現在はリコーの子会社となっていますが、ペンタックスも防水カメラには熱心なメーカーで、後列のOptioブランドのWP10WP60は防水カメラでありながら、コンパクトですっきりしたスタイリッシュなデザインでした。

 その後継のWP80の時から一気にアウトドアを意識したデザインになり、その流れで前列の2台、パープルの方がWG-1、シルバーの方がリコーブランドになっていますがWG-4で、ハードな使用を想定したスパルタンないで立ちです。角が取れて大柄なのは耐衝撃性能を上げる意味合いもあるようです。

 実際のところこの2台はジャンク詰め合わせで入手した時には触るのもはばかるくらいの泥だか藻だか何だか分からない汚れがこびりついていたのですが、丹念に綿棒や車のクリーナーなど動員してディンプルの中まで磨いて、ようやく触れる状態にしました。手持ちのバッテリーをいれますと普通に起動しましたのでタフネスさは確かな様です。

 このようなネイチャー系のカメラでは植物や昆虫など自然を撮るために顕微鏡モードを搭載している事が多いです。接近してマクロ撮影すると被写体がカメラの陰になるのでレンズ周りにLEDが備えられ照射されます。 


 さて、ここまで各メーカーのタフなカメラ達を紹介しましたが、実はこれらの品は、コレクションとして「持っている」だけで安心して、実際にはあまり使用していません。

 そこで次回は後編として、私が常用しているSONYとオリンパスのカメラを使って紹介してみます。

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