日常を切り取る(前編)。カメラ道楽部屋(11)

 ポンコツカメラ大好き、「ノーカメラ、ノーライフ」の window tribeです。


 唐突ですが、この色の剥がれたカメラの登場から今回の話を始めたいと思います。このカメラはオリンパスの防水カメラでTG-630というモデルです。 そう高価なモデルではないのですが、ポンコツをまとめ買いした時の1台で、値段にすると1,000円以下で入手したことになります。
 ポンコツカメラ道楽をしているので各社のバッテリーや充電器は手広く持っており、テストしたところ機能的には問題なく、外観の塗装がムラに剥がれているだけの事でした。見てくれの悪い防水・耐衝撃カメラですので、下駄代わりのスクーターのシートの下に万が一のシャッターチャンスのために放り込んでおきました。


 「カメラ」や「写真」は受け取る人によって価値観が変わるものです。カメラ雑誌を見るとスペックが向上した新型カメラの特集が組まれて、その都度にお金をやりくりしてでも飛びつく人もいたりしますが、素人に毛が生えた程度の私には幸か不幸か、その向上した性能の違いが良く分からない事が多々ありますので、古いカメラでも十分に楽しく遊んでいます。

 一方、スマホの普及による総カメラマン時代で、事件・事故の決定的瞬間もそれが高価なカメラで撮られた写真であろうと、スマホ・ガラ携によるものであろうと、見る人の評価は映っているモノの「インパクト」で評価されます。そういうことで私にとって「写真」で一番重要であると思っているのは「被写体の前に居る」という事です。

 航空ショーなどのイベントでしたら事前に目的に合った一眼レフ・望遠レンズなどの機材を選んで期日に会場に向かいます。しかし日々の生活の中で出会った被写体には、道具が何であれとりあえず手元にある機材を向けることになります。


 撮った後は頃合いを見てはパソコンに場所・撮影時期や機材ごとにフォルダー分けして整理しています。「写真を撮る」と映像に付随してExif(イグジフ)という領域にカメラの撮影時の絞り・シャッタースピード・ISO感度の設定項目や撮影日時、GPS機能付きの機種でしたら緯度・経度の座標も記録されています。

 そのうえ、これがもう一歩進んでドローンになったりしますと、GPS情報をベースに操縦しますので、コントローラー内には飛行記録として、地図上に離陸から着陸までの時間を追った飛行ルートと、高度、離陸からの飛行距離、その時に機首が向いていた方向などが記録され示されます。

 これら利用すれば、何時、どのように撮ったか思い出せるので「日常を切り取る」という日記作成も楽にできます。

 前置きが長くなりましたが、私がカメラを持つとどうしても「動物日記・植物日記」となってしまうのですが、この好奇心を後押ししてくれるのが手元に控えてくれているカメラ達の存在です。


ユリと彼岸花

 健康診断で、「30分くらいの軽く汗をかく運動」をするように毎年奨励されるのですが、ジョギングで走ったところで誰かの役に立つわけではないので、気まぐれで朝の6時台に野良着を着て、自宅からスクーターで10分も掛からないニシキプリント東広島工場の草むしりをする事があります。

 草抜きをしていると人様よりは幾分多く地面を見ることになります。当工場のお向かいは広い雑草地なのですが、先日そこに一斉に白いユリの花が咲いていたので、「これは」と思ってスクーターのシート下から先ほどのTG-630を取り出して撮影しました。また工場のゴミ置き場の手の届かない場所に1本、私の草抜きの手を逃れて咲いたユリもいました。

 このようにカメラは何だって良いんです。思った時に記録が残せれば。 写真を撮るとあれこれ調べたくなる性分で、これが冒頭の「ノーカメラ、ノーライフ」の一端でもあります。

 で、白いユリは「テッポウユリ」が代表的ですが、今回のユリは花の外側に紫色の筋があり、葉っぱが細いのが特徴で台湾原産の「タカサゴユリ」という品種らしいです。ユリと言えば球根と思っていましたが、種子で広がるようで、雑草並みの生命力が有り高速道路の法面などでもよく見かけます。外来種として国立環境研究所の侵入生物データベースにも記載されていますが、花がきれいでなかなか駆除されないと書かれていました。

 ユリは一斉に咲いて、今では花もしおれて、その姿が無いのですが、気が付いたら、また蕾みたいなのが出てきて、また花が咲くのかと思っていたら、種の鞘だそうで、これが茶色く色が変わってきて種が飛び出していくそうです。

 花を見ると花言葉に結びつけそうですが、私は食べるほうに興味が向いてしまいます。茶碗蒸しに入れるユリ根の多くは北海道で栽培されたオレンジ色の花の咲く「小オニユリ」というものだそうです。検索しますと「タカサゴユリ」は先人が食べられないかチャレンジした例が載っていましたが、甘みもあるけど総じて苦くて、美味しかったという声は見られませんでした。


 ユリの後を追うように、この時期に一斉に咲くのが彼岸花です。別に一夜にして生えるわけではなく、緑色の茎が周囲の雑草に隠れて目立たないように花芽とともに伸びてきて、その先に蕾が形成され、それが一気に開いて真っ赤な彼岸花が咲く事になります。


葛(クズ)とタマツゲ

 南隣の工場との境には結構見るのに名前が分からない針葉樹が並んでいます。調べてみますと針葉樹を総じてコニファーと言うそうですが、その中でも「エレガンテシマ」という樹種だそうです。家庭でクリスマスツリー代わりにもされることがある身近な植物ですが、名前までは知りませんでした。

 お隣は建物裏手で手入れが難しそうで、右下の写真のように「エレガンテシマ」に蔓性の植物が絡まっています。雨どいに沿って屋根に向かって生えている上昇志向の激しい蔓もいます。これも法面などでよく見るんだけどなぁ位の認識でしたので、この機会にと調べてみますと、なんとマメ科の多年草「葛(クズ)」だそうです。

 冒頭のユリがいっぱい咲いていたお向かいの雑草地の方が葛の勢力が顕著で、立ち木を覆いつくしたり、フェンス一杯に絡みついて、始末に負えない植物です。

 しかし悪い事ばかりではないようで、マメ科の植物なのでイソフラボンも含まれているそうです。その長芋の塊のような感じの大きな根っこの部分から作られるものは、和菓子などで使われるデンプンの「葛粉」や、風邪のひき始めに飲む「葛根湯」など身近な存在でした。


 工場の西側の垣根にはこれまたよく見る樹種なのですが、名前までは無関心でしたので調べますと「タマツゲ」というそうです。

 私の大師匠の奥様が以前、ここの垣根の面倒を見てくださっていた真似事で「散髪」をやっています。しかし所詮素人ですので高さが不揃いだったり、エッジが一直線にならなかったりしますが、下手なりには努力したせいか、最近は気が付くと何やら「スーモ」っぽい妖精さんが居ついているようです。

 このように、身近によく見る植物なのに名前を知らなかったものが多かったです。しかし1000円で入手したカメラが野良着姿の時にでも居てくれるだけで、有難くブログ1本書けましたので、折角ですので次回もこの色あせたTG-630に活躍してもらいニシキプリント東広島工場近辺の日常を切り取ってみます。

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